『生命産業』としての家づくり

須賀住宅のハード面の価値を高めることは、とても重要です。そして、ソフト面でも価値を高めていく必要があります。
―住宅のソフト面というと?
須賀そこに生活する家族のことを考えた設計がされているか?ということです。先ほど私の生家は、『小さいけれど幸せだった』といいましたが、現代はモノは溢れるほど豊かになりましたが、心の面では失ったものが大きいのではないのでしょうか。
―ニートや引きこもりなどの社会現象のことですね。
須賀はい。子どもに個室を用意できる時代になりましたが、『子どもに個室が必要なのか』というソフト的な考えが疎かになっていました。アルネットホームでは、単なる家づくりではなく『生命産業』と捉えています。『家族の生命を守り、命を育み、豊かな心を育てる』これこそが、住宅に求められているものだと考えています。
―確かに、モノの豊かさと裏腹に心の喪失感すら感じる現代において『生命産業』という考え方はとても重要だと思います。
須賀家族の生命を守るために丈夫な家づくりを『200年住宅構想』として、命を育み、豊かな心を育てるために『完全自由設計』として、家づくりを進めています。丈夫なだけの家では、豊かな心は育ちません。間取りだけの家では、家族の命が守れないかもしれません。ハード面とソフト面ともにバランスのとれた家づくりでなければ『生命産業』には成り得ません。
―なるほど、トータルバランスのとれた家づくりですね。
『200年住宅』実現に向けて
木造住宅工事仕様書/
平成17年改定(全国版)より
―バランスのとれた家づくり、『200年住宅構想』の重要性が分かりました。では、具体的に『200年住宅』の中身を教えてください。まず、柱に使われているのがベイヒバという木材ですが、これはどのような木材なんでしょうか?
須賀正式名称をアラスカシーダーと呼ばれ、北米大陸に分布しています。一般的に丈夫で高価と知られている木材に桧(ひのき)がありますが、実は桧よりベイヒバの方が丈夫なんです。
―えっ、桧よりも丈夫なんですか。
須賀はい。家を支える重要な部材である柱と土台は、丈夫で長持ちする木材を使用すべきと、桧よりも丈夫なベイヒバを採用しました。
―他に丈夫な面はありますか?
須賀構造についても考えました。日本古来からの構造は柱や梁(はり)といった骨組みだけで構成されていました。また北米で発達した2×4(ツーバイフォー)という家は板状の面で支える構造になっています。それぞれの構造を足して、骨組みと面のそれぞれの強さを生かした、箱型構造としています。
―箱型構造について詳しく教えてください。
須賀食品などよく厚紙でできた箱に入っていますよね。あの厚紙1枚の紙の状態では簡単に破くことができます。しかし、箱状になると丈夫になります。その原理です。
―確かに、紙も箱になると丈夫になりますよね。
須賀また、骨組みも今までは柱と梁をつなげるのに柱に切込みを入れ、凹と凸の形状にして接合していました。
―えっ、柱に切込みを入れたら弱くなってしまいませんか?
須賀柱本来の強さが発揮されていませんでした。そこで、最先端技術で開発された金物を使い、柱の切込みを最小限に抑えつつ確実な接合としたタフジョイントという接合方法を採用しています。
―なんだか、今までの家の欠点を解決してしまったようですね。他にも200年住宅の特徴はありますか?
須賀長く住むためには、省エネルギー性能を上げて家計にも優しい家でなければということで、断熱材について考えました。断熱材の多くは、工場で成型され現場で床、壁や天井に張られます。しかし、わずかではありますが、隙間ができてしまうため、そこから室内の熱が外に逃げていってしまいます。そこで、ウレタンホームという材料を現場で吹付けする方法を採用しました。現場で壁や天井の形状に合わせて吹付けするので、隙間を大幅に減らすことができました。
―確かに丈夫なだけではなく、家計にも優しくないと長く住めないですからね。



