注文住宅建て替えに必要な費用

現在の建物を基礎からすべて解体し、更地にして新たに新築することを「建て替え」と言います。
すでに整備された宅地を購入して進める新築注文住宅よりも必要な費用も増え、事前に確実な資金計画をたてるのが難しいため、建て替えではなくリフォームにするか、その土地・建物から別に住み替えるなど、建て替え以外の選択肢も含めて迷う方が少なくありません。

「老朽化した実家を取り壊して3階建てに建て替えたい」「探していたエリアに古家付き土地物件がでてきた。解体から始めたら理想通りの家が建てられるかも」「定年退職を機に、築30年経ったマイホームをこぢんまりした平屋に建て替えるか、いっそ売却して住み替えるか迷う」
……といったように「現在の建物を解体して新築注文住宅に建て替え」を検討している方へ必要な費用の項目をわかりやすく紹介いたします。

【「住宅の建て替え」時に必要な費用の項目】

一般的な「住宅購入費用」で大きな部分を占める「土地取得費用」がかからない住宅の建て替え。ですが、建て替えだからこそ必要になる費用もあります。

「建て替えよりも、住み替えにしておいた方が楽だったかも……」と後悔することがないようにどんな費用が発生する可能性があるかあらかじめ把握しておきましょう。

現況の建物取り壊し費用

建て替え時にかかる費用として最も気になる方が多いのが取り壊し費用です。建物取り壊し費用は地域や土地の形状、埋設状況、廃材処分費（リサイクル費）等の状況によって異なりますが、木造住宅では一坪あたり一般的には約4～5万円となります。

建物取り壊し費用を大きく左右するのは以下の項目です。
・足場養生
・重機回送
・廃材処分

どの程度の足場養生が必要か、大型重機の有無、どのような種類の廃材がどれだけ出るかで金額は変わってきます。きちんと現地調査をしていない簡易見積りでの発注は注意が必要です。



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地盤調査・地盤改良工事費用

すでに宅地として整備された分譲地を購入する場合と異なるのが地盤調査・地盤改良工事のための費用です。たとえば古民家で土地の一角に井戸が埋まっている、古い貯水桝が埋め込まれているなどで撤去が必要なことが、建物取り壊し時に判明することもあります。これから数十年先も安心して住み続けるためには欠かせない調査です。

仮住まいの賃貸費用

建て替え前の住宅にお住いの場合、撤去・新築工事の期間中はほかにお住まいを移していただく必要があります。また、これまで自宅で支払いの必要がなかった駐車場の手配を失念されたり、仮住まいとして選んだ賃貸住宅に家具家電が入りきらないといったトラブルが多いことにも注意が必要です。住み替えではほぼ必要のない費用のため、計画し忘れてしまいがちです。

2回分の引っ越し費用

元のお住まいから仮住まいへ、仮住まいから新居へと2回分の引っ越し費用がかかるのが建て替えです。どちらかが3月～4月の「引っ越しシーズン」にかかってしまうと、思わぬ大出費になることもあります。

【解体工事費をローンに組み込みたいなら】

住宅建て替えでご相談が多いのが「新築注文住宅の建築費はローンを組む予定だけれど、できれば解体工事費も一緒にローンに組み込みたい。手元資金を解体工事費に使ってしまうのは不安……」というものです。「解体工事を専門業者に先に発注し、更地にした後、ゆっくり建て替えをお願いするハウスメーカーや工務店を探そう」とお考えの場合は、解体工事費を住宅ローンに組み込むことはまず不可能です。またその期間によっては固定資産税も上がってしまうリスクもあります。

建て替え費用は「個々の費用の金額」だけをチェックするのではなく、リスクや手間も含め、トータルで検討することが大切です。


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